自己効力感を鍛えましょう———-。
巷ではこのようなアドバイスが、広がっています。
以前当ブログでも、 心理的にプレッシャーのかかる場面に関する研究を紹介した際には、サッカーでPKを蹴るには心理的な自己効力感を鍛えておくと良いかもしれない、という論文を紹介しました。
他にも、『怒る指導、褒める指導、科学的に正しいのはどっち? 』という記事を書いた際も、幼い児童達を元に行われた研究では、子供達の自己効力感を出すことが大切であるということが、示されています。ーーー詳しくはこちらからどうぞーーー
さらに、その自己肯定感を上げる方法として、一般的に言われていることは…..
『オシャレをしましょう』
『自分の決めた行動に従って生きましょう』
他にも….
『自分を信じましょう』や『自信を持って行動しましょう』などがあります。
個人的な感想としまして、これまでの人生を生きてきて、このような一般的なアドバイスを実践するのは非常に困難であると感じていました。
『はい、それでは明日から自信を持とう』『今から自分を信じよう』
このように思うだけで、簡単に自己効力感を上げて、それをキープできたら誰も苦労はしませんよね。
そんな意外と取得が難しい自己効力感についての解説と、おすすめの習得方法を解説致します。
先述の通り、著者自身も一般的に推奨されている自己効力感を得る方法は困難であると感じているため、当ブログで自己効力感を上げるための方法としましては、別なアプローチを取ります。
科学的に根拠があり、且つ一般的では無い方法です。
まず自己効力感とは何かといいますと、自分には目的を達成する能力があると思える自信のことで、やればできる感です。私たちは、特定の障壁を乗り越える能力があると感じられなければ、行動ができません。そのため自己肯定感が特定のタスクに対するモチベーションを左右しているというのは納得できるでしょう。
自己効力感が増→モチベーションも上昇→他タスクへの行動力増→成功へ近づいて行く
このようなメカニズムで、上昇スパイラルにハマっていくため自己効力感は大切です。
そんな自己効力感を手っ取り早く取れるかもしれないのは、なんとゲームです。
意外にも、ゲームが自己効力感の向上を助けることを示唆した論文があります。
2014年の台湾にある国立台南大学からの研究によると、
数学コースにいる小学生に教える際、ゲームベースの学習モデルに変更したところ….
学習成果の向上、自己効力感、数学へのモチベーションが上がったそうです。
何かをゲーム感覚でやっている時は、時間を忘れ楽しく学ぶことができた経験は、皆さんもあると思います。ゲーム形式で勉強を学んだり、スポーツの練習でゲームを方式を取り入れると効果的に、学べるのかもしれません。
他にも1998年のイギリスの科学者たちによる研究によると、
ゲームをプレイしていた被験者は、ドラッグの静脈注射と同等レベルの『快楽』神経伝達物質ドーパミンが脳内に分泌されていたそうです。
ドーパミンというと私たちに中毒性を導く物質だと言われています。確かにタバコやアルコールなどの依存症は、脳の報酬回路に大量のドーパミンが放出されることによって引き起こされます。
しかし、日常生活において、報酬回路のドーパミンが増加することは依存症のサインではなく、
実は、集中力や記憶力、精神力の向上と結びついています。
メカニズムはこのような感じです。
ゲームをクリア
↓↓
脳内ドーパミン濃度の上昇
↓↓
精神力、パフォーマンスの向上
↓↓
自己効力感の上昇
これが、神経科学的に見たゲームと自己肯定感の繋がりです。
ここで多くの人は、それでもゲームで時間を無駄にしたく無いと考えてしまうでしょう。
そこで1日3分でできる、お馴染みのあのゲームが不安や緊張対策に効くという科学ベースな記事も過去に紹介しています。ぜひよろしければこちらのリンクからどうぞ。
ゲームはプレイヤーのやる気、モチベーションを保つために適切にデザインされているため、私たちの自己効力感も上がりやすいです。
加えて脳は、仮想の物語と現実とを見極めるのが苦手なため、仮想空間から得た自信によって現実空間での行動力が上がりやすいのも事実です。
ゲームは1番手っ取り早く自己肯定感を上げやすいツールの1つではないでしょうか。
目的を持ってゲームに取り組んでみましょう。