イメージトレーニングは長期的に見て効果はあるのか。 part 2

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当ブログでは、海外研究や論文を元にした科学的な練習法を紹介したり、話題の海外スポーツトピックから、データベースな新情報をお伝えしております。 たまにスポーツ英語も紹介。

MLB、NBA、NPB、ヨーロッパサッカーが題材となっていることが多いです。

筆者は、ダルビッシュ有さんとフアン・ソトの大ファンで、夢はサンディエゴに生で見に行くこと。高校まではただの野球人だったが、海外のスポーツが好き過ぎて、英語を学び、日本の外に住んでいる20代。

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今回は先月に当ブログで紹介したイメージトレーニングの嘘 part 1の続編です。

前回はイメージトレーニングの効果は薄いという事実を科学的に解説しましたが、今回はどのようにスポーツを行っている方が使える形にしていくかを解説していきたいと思います。

よくプロで昔活躍した選手や現役の選手はこのようなことを言います。

 「俺は毎晩寝る前に成功した自分の姿を想像していた。」

「毎日夢を想像していたら、現実となった。」

従って、自己啓発セミナーや練習会では、このようなアドバイスを耳にする事が多いかと思います。

「試合や本番前には、ポジティブな結果を想像しましょう。」

ポジティブなイメージをする事が推奨されている世の中ですが、注意が必要です。

ただのポジティブシンキングには、逆効果も見つかっているのです。

 著者自身もネガティブなイメージを進めている訳ではありませんが、ポジティブなイメージをし過ぎると危ないのではないかと科学的な視点を持った人々は警告を鳴らしています。

 前回は長期的な目標をイメージする弊害に関して解説しました。確かに全体を俯瞰するという意味での長期的な視点は大切ですが、過剰なまでのイメージトレーニングというのは助けにならないことが多いです。前回のイメージトレーニングPart 1で解説したため、ここでは深く解説しませんが、簡単に言うと将来の成功している自分に浸かってしまうと、脳がもう満足してしまい、現在すべきトレーニングやタスクに集中が向かなくなってしまうというメカニズムが原因です。

 この事を踏まえて、今回は目標設定をどのようにすれば効果的に働くのかを掘り下げて解説していきます。

挫折を想定した目標作り

目標を達成したい場合には、時間がかかります。

分かりやすい例で説明すると、ダイエットでしょう。一日で目標体重に届くことができれば、誰も苦労していません。加えて一度目標体重に達しても維持することができなくてはならないため、戦いは長期戦です。従って目標設定が大切になってきます。
しかし、目標を設定する際に、ダイエットに成功してスリムな体を手に入れた自分を想像した場合には、科学的には目標を達成する可能性は下がると言われています。

まず何か計画を立てるときには、成功している自分をイメージするよりも、成功までの過程で挫折している自分を想像すると、より効果的に目標に向かって行ける事が分かっています。
挫折を計算に入れた上で、目標達成までのプランを立てることをおすすめします。

先ほどのダイエットの例で言うと、、、
毎日運動とカロリー制限を続けてきたものの、飲み会があり運動ができず、帰りには締めのラーメンを食べてしまったためやる気が失せたとしましょう。

ここで多くの人は挫折してしまい、「もうどうにでもなれ」と投げやりになってしまいます。

この事を計算に踏まえた上で、計画を立てるとすると、このようになります。

  • 飲み会の時だけはチートデイとしてカロリー制限を無くす
  • 習慣が途切れた時には今まで成し遂げてきたことを見直す
  • 長期的な目標に意識をフォーカスさせる

などなど、あくまでこれは一例ですが、挫折を含めた目標設定を取り入れてみると目標達成率アップが期待できるでしょう。

最高と最悪を想定

他にも、短期的にトレーニングなどの目標を立てる場合は、最悪をまず防ぐというテクニックを使うと効果的でしょう。
これは、最高の結果と最悪な結果を想定して、最悪から防ぐことによって、心理的な安全性と自己効力感が得られるというものです。

例えば、毎日筋トレを行い、夏までに理想の体を得るということが目標だとしましょう。
その場合、最悪の結果は筋トレを全く行わず、逆にどんどん力が弱りだらしない体で夏を迎えるとなります。最高の結果は、筋トレをして自分の力がどんどん上がっていくと言うケースとなるでしょう。

このケースの場合、最悪を阻止するためには、筋トレの習慣付けさえできれば良いため、筋トレを行うまでの手間を減らすことや、毎日のモチベーションを保つための戦略が取れるようになるでしょう。

最悪をまず阻止すると、これさえやればマイナスではないと思えることに加えて、目標達成に近づくために最低限のことができるため、心理的な余裕が期待できます。
またひとつの課題をクリアできたという自己効力感も得ることができるでしょう。

まずは無理のない範囲で自分なりの目標を立てて、最悪の阻止からしてみることを、おすすめします。

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