マイナス思考を抑えつける驚くべき逆効果とは?

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当ブログでは、海外研究や論文を元にした科学的な練習法を紹介したり、話題の海外スポーツトピックから、データベースな新情報をお伝えしております。 たまにスポーツ英語も紹介。

MLB、NBA、NPB、ヨーロッパサッカーが題材となっていることが多いです。

筆者は、ダルビッシュ有さんとフアン・ソトの大ファンで、夢はサンディエゴに生で見に行くこと。高校まではただの野球人だったが、海外のスポーツが好き過ぎて、英語を学び、日本の外に住んでいる20代。

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 試合前や本番前の不安に苛まれる人が多いのではないでしょうか。
 そこでメンタルトレーニングのための自己啓発セミナーやスポーツの練習会、もしくは身近なコーチなどにこのようなことを言われたことはありませんか?

 ‘‘ポジティブに考えろ。’’  
   ‘‘ネガティブに考えるな。’’
   ‘‘ネガティブ思考をポジティブ思考に変えていきましょう。’’

 一般的にはポジティブは正しく、ネガティブに考えることは良くないと教えられます。

 しかしこのようなアドバイスは本当に正しいのでしょうか….

 不安による悩みを抱えたみなさんに、そんなネガティブな考えを抑えようとすればするほど良くないのではないか?を調べた研究をひとつ紹介いたします。

 ニューヨーク州ハミルトン大学が2006年に行った研究で、実験参加者全員に自分の欠点を書き出してもらい、半分のグループには欠点をこれから11日間できるだけ考えないようにと伝え、残り半分のグループは普通に暮らしてもらい、気分、不安レベル、自信レベルを毎日記録してもらいました。

 その結果はというと、自分の欠点を考えないようにしたグループは、普通に暮らしたグループに比べ、自分自身に自信がなく憂鬱で不安であると答えることが多かったそうです。
 
 これはシロクマ効果とも呼ばれる現象で、シロクマの事をこれから考えないようにしてくださいと言われると余計に考えてしまうという現象も有名です。

  下手にネガティブを押さえつけようとすると余計に反発してくる。
 これがポジティブ思考になろうとする人を余計にネガティブにするメカニズムです。

 それでは、どのようにすれば良いかと言いますと、不安やネガテイブ思考に注意が向いている自分の脳の注意をコントロールする事です。

 先日も当ブログで紹介*しましたが、簡単なスマホゲーム(テトリスなどの視覚機能を大量に使うゲーム)や原始的なゲーム(10000から3ずつ引いていく)などは脳の注意を不安からそらすことが可能です。要は少し脳に負荷がかかる行動をすれば良い効果を生み出せるということです。
 他には可能であれば、他の事を考えることが出来なくなるくらいまで肉体的に追い込むようなトレーニングをすることも有効です。しかし試合前や本番前に体を疲れさせるのは逆効果ですので使い所には注意してください。

 よくスポーツ選手や体育会系のグループではポジティブ思考になろうと多くの人が苦しんでいます。このように世間一般では正しいと思われていることが、科学的には間違えていることがたくさんありますので少しでもそういった方々の助けになるように、これからも肉体的にも精神的にもスポーツに使える科学的に正しい行動を紹介していきます。

*こちらも併せてチェックしてみてください
三分間のゲームで不安を対処するメカニズム

Reference; https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/15298860600654749

 

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