スポーツ選手にとって下半身の怪我は1番と言って良いほど厄介です。その中でも膝関節についている重要な靭帯を損傷する怪我はスポーツ生命を脅かすほどの危険な怪我で、ACL ( Anterior Cruciate Ligament) と呼ばれています。NBAでつい最近復帰したクレイ・トンプソンも2019年のファイナル時に陥った怪我ですね。
そこで今回はそんな大変な怪我に陥ったアスリートがACL-R(前十字靭帯再建術)後の退院基準に戻るまでの時間と、心理面もしくは睡眠と関連性はあるのかについて調査した研究を紹介いたします。
睡眠の重要性に関しましては当ブログにて過去に何度も話してきました。スポーツを行なっている方でしたら、夜間練習を行うくらいならばしっかり寝た方がマシなほど、睡眠は体の再生に重要な時間です。
そんな大切な睡眠を踏まえた今回の研究は、膝の手術を行った後に復帰する時間と睡眠の質と量、もしくは不眠症は関係しているのかを調べた研究です。
結果から先に言ってしまうと、元々のベースラインの時点で不眠症や不安などに関するテストのスコアが良かった人々はリハビリも前向きに行い、退院基準を満たす可能性が高かったそうですが、 全体的にACL-Rからリハビリを経て退院の時期に関する時間の速さとの関係は見られなかったそうです。
寝たら回復が早くなるみたいなことはよく聞きますが、あまり関連性は見られなかったのは意外ですね。。
しかし、この研究ではひとつ睡眠の質と量と関係性が見られたことがありました。
それはリハビリのプログラムを順守したかどうかだったそうです。
計画通りに物事を進める性格面的な要素がここで絡んでくるのですね。
そしてもしアスリートがACL-Rを受ける際は前後で心理的調査と睡眠に関する調査を行うことが、研究では推奨されています。
この研究から分かることは、寝ないと誠実性が下がるということですね。誠実性とはコツコツ物事を続けていく能力で、科学的に正しいとされている性格因子はビッグファイブ(開放性、協調性、神経症的傾向、外交性)に分けられます。睡眠の質、量ともに低下することによって、コツコツ真面目に物事を続けられなくなり、リハビリプログラムに従って続けていくことが難しくなったと考えらます。
ということでまとめると、しっかり寝ましょうということですね。。
自分のライフスタイルに合った、睡眠の質と量ともによりよくデザインするのを心がけると良いのではないでしょうか。