世界中に広がる鬱病
WHOが2021年に発表した世界の鬱病に関するデータによると、推計2億8千万人が鬱病になっており、日本のみではなく世界中で上昇傾向となっております。
特に先進国でその傾向は顕著で、増加の一途を辿るばかりです。
スポーツにおけるメンタルヘルスの重要性について
この影響はスポーツ界にも広がっており、オリンピック選手が試合前に自分の演技が全く分からなくなってしまったり、世界のトップで活躍し、何十億と稼ぐスポーツ選手が、メンタル的な問題を理由に試合を欠場するなど、スポーツ界でもメンタルヘルスに関する重要性は増すばかりです。
そこで今回は、メンタル的な重要性を語りつつ、過去当ブログで紹介した、スポーツ選手に効果的をなり得る対策法を紹介していきます。
2つの対策法を紹介
簡単に取り扱えて、効果がある可能性が高い方法を述べていきますので、是非参考程度にしてみてください。
また、当ブログでは個人的な質問なども受け付けております。後日、スポーツサイエンス的に見た、回答をブログ投稿にて返信をさせていただきますので、是非利用してみてください。
さらに今回は、過去に当ブログで取り扱ったことのある、論文ベースのメンタル対策法や、科学的に見た重要性について語ってる内容も紹介していきます。
自分に合いそうなものから試してみるといかがでしょうか。
尚、食事や睡眠などをしっかり管理しているという前提の話となります。食事から摂取する栄養素や睡眠で心身共にリカバリーすることは、多くのメディアで取り上げられ、基本中の基本として知られているので、今回は、少し踏み込んだレベルでメンタルの改善に効果がありそうな2つの対策を挙げていきます。
チョーキング対策
野球でのイップス、スポーツ界全般では、チョーキングと呼ばれている現象があります。これは、本番などのある特定の環境に入った途端、本来の力が出せなくなる現象です。
極度の自意識過剰状態となってしまうセルフフォーカスと密接に関わっているこの問題ですが、現代のスポーツ科学界では対策法もあるようです。
簡単に試せる対策法と、チョーキングに関して詳しい説明を過去に当ブログにて行っておりますので、是非下記リンクよりどうぞ。
セルフコンパッション
セルフコンパッションという「自分を思いやる気持ち」もひとつの重要な要素です。
多くのアスリートは自分に対して厳しくなければ、「甘え」とみなしてしまいがちです。特に競争の世界で強く戦うスポーツ選手達は、自分に鞭を打ち続けるべきだ考えてしまいます。
2014年にカナダのサスカチュアン大学やトロント大学らが行った、女性アスリートとセルフコンパッションを調査した研究では、セルフコンパッション、(自分を思いやる気持ち)が強い人ほど、責任感が強く、自主的に練習を行う事が多いのに加え、幸福感も高い傾向が見られた模様。
スポーツを行う人にミスは付き物です。人間ですのでヒューマンエラーは必ず起きますが、その後の対応として「自分なんて…」「練習が足りないから…」と自己批判に陥ってしまいます。
特に大事な場面でのミスなどは、恥の感情が襲ってきたり、次のプレーや演技への不安などで感情をうまく処理できなくなり、自己批判に陥ってしまいがちです。
加えてスポーツブランドなどの広告では、「もっと強く、より前へ、自分を鍛え上げろ」みたいな感じで自分に鞭を打ち、前進していくのがアスリートの姿であるという確立されたイメージがあります。
よって、「ミスした自分に慰めの言葉をかけるのは、甘えである」みたいな雰囲気が、スポーツ界にはあります。
自分を許す
しかしながら、先述の通り自分を思いやるセルフコンパッションができるスポーツ選手こそ、自分を許すことができる事によって次へのメンタル的な推進力となり得ます。
まずは、ミスが起きた際、「自己批判する自分を認識する」ところからスタートし、自分を許し、心の中で良いので優しい言葉をかける方が、科学的にみると効果的なようです。
セルフコンパッションについては、ご要望があればスポーツ選手向けの記事をまとめようかと考えております。