怒るコーチ、褒めるコーチ、科学的に正しいスポーツ指導者の姿とは?

心理や他科学
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当ブログでは、海外研究や論文を元にした科学的な練習法を紹介したり、話題の海外スポーツトピックから、データベースな新情報をお伝えしております。 たまにスポーツ英語も紹介。

MLB、NBA、NPB、ヨーロッパサッカーが題材となっていることが多いです。

筆者は、ダルビッシュ有さんとフアン・ソトの大ファンで、夢はサンディエゴに生で見に行くこと。高校まではただの野球人だったが、海外のスポーツが好き過ぎて、英語を学び、日本の外に住んでいる20代。

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昔の教育から現代へ

一昔前の教育といえば、教育する側の立場の違いを使い、上からの威圧と恐怖を指導者は与えることによって、学校やスポーツ、仕事の現場では教えられる側が叱られ、それを避けようとすることがモチベーションとなると考えられてきていました。

暴力などもありましたが、近年の日本社会では体罰問題などが深刻化してきているため、恐怖心を教えられる側に与えつけるという考え方はだいぶ減ってきました。

心理的リアクタンス

科学的に見てもこの教育法は、悪影響を及ぼすことが分かっており、怒る教育は、力や権力によって場が支配されるため、心理的リアクタンスというアクションを人間はとってしまいます。

心理的リアクタンスは自由を奪われると、むしろ自由がもっと欲しくなってしまう現象で、やるなと言われるとやりたくなってしまう現象はよく知られています。心理的リアクタンスは、人間の脳に元から備え付けられているプログラムなのです。

これが思春期に素行に走ってしまう人々がいる原因の一つとなっています。

私自身も学生時代は体育会系の環境の中で育ったため、少年時代は恐怖心によって動かされてきましたし、体罰も受けてきました。現代は、立場の弱いものに対して叱って支配するという教え方がなくなってきているという事実は、私自身としましても、大変嬉しく思っております。

スポーツでの指導法

指導法のみでなく、練習方法も、恐怖を与え、根性で耐え抜くといった昭和的な価値観から大きく変化し、現在はプロの舞台で活躍している選手の多くは平成生まれになってきたこともあり、学生スポーツ界でも気合で走りこみ主義などの根性論*が減少しているように感じます。

メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手の両親は、大谷選手を特に叱らずに育てたという事を過去のインタビューで語っているのを筆頭に、根性論とはかけ離れた育て方や教育法が情報社会によって知れ渡ったのも、影響としては大きいでしょう。

 一般的に書店に並ぶ子育てやコーチング、上司の在り方などの本では、ネガティブな言葉は指導する側は禁止で、常に寄り添い、結果が出たらすぐに褒めてモチベーションを上げてあげましょう。もしくは、褒めて子供の自尊心を育ててあげましょう。というのがセオリーとなってきました。

しかし、科学的にこの褒めて伸ばすの教育には、気を付けなければならない落とし穴があることも分かっています。

褒める教育の落とし穴コロンビア大学の研究

それは褒める指導は教育される側が褒められそうなことしかしないため、失敗を極度に恐れ、リスクを取らなくなることです。

コロンビア大学が行った有名な実験をひとつ紹介すると、パズルが完成した時に、頭が良いと褒められたグループ何も言わなかったグループのふたつに分けました。

その後もう1度、2種類のパズルの選択権を子供に与えます。

ひとつは解けるか解けないか分からないが、やりがいがあるパズル。
もう一方が、ものすごく簡単なパズル。

子供たちの選択を調べた結果、何も言われなかったグループは、約45%が簡単なパズルを選んだのに対し、頭が良いと褒められたグループの約65%が簡単な方のパズルを選んだそう。

やはり褒められると、もう一度褒められるために、より簡単なタスクを選びやすくなることが分かっています

追加実験

実験はそれだけでは終わらず、今度はもっと難しいパズルが全員に与えられ、あまり子供たちが解けずに終えました。
その後に、家に持ち帰って続きをやりたいかと聞くと、、、

褒められたグループの方が少ない人数が続きをやりたいと答えたそう。

その上さらに、もう一度、一番最初と同程度の難易度のパズルを与えたところ、頭が良いと褒められたグループのパズルの成績は下がったそうです。

怒っても褒めすぎても意味はない。

なぜそうなったかと言いますと、頭が良いことを褒められたグループは、褒められることを目的に生きることになってしまうため、極度に失敗を恐れるようになります。
それに伴い、新たな挑戦リスクを取ることを躊躇するようになるため、自らの成長を求めて生きることができなくなってしまったようです。 

 それではどうすればよいか。

褒め方のポイントが重要

権力や立場的な威圧によって場を支配するのは論外として、褒めると言っても、褒めるポイントを変えると効果的な褒め方になる事が、最新の科学によってはわかっています。

試合の結果を褒めるのではなく、それまでの過程(努力や戦略)を褒めると教育される側にとって最も良い褒められ方になるでしょう。
そうすることによって、指導される側も結果を求め簡単なことばかりに手を付けるのみではなく、新たな挑戦に向かっていくことができます。

ぜひ皆さんも子育てや仕事、スポーツでの上下関係に使ってみてはいかがでしょうか?

*走りこみ主義などの根性論については、過去に走り込みの噓を記事にしています。
こちらも併せてチェックしてみてください。
野球界で語り継がれる、走り込みで足腰を鍛える。科学的には本当に正しいのか

Reference; https://psycnet.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2F0022-3514.75.1.33

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