ゴールデンステート・ウォリアーズとボストン・セルティックスのNBAファイナルがついに始まりましたね。著者自身も食い入るように見ていました。
そんなファイナルを観戦中….
「NBAの選手たちって時差ボケとかないのかなー」と、ふと思いました。
この記事を読まれている読者の方々は、おそらくNBAファンであり、試合日程などを見ている際には、選手たちの「タフさ」「過酷さ」のようなものを、一度は考えたことがある人も多いのではないでしょうか。
そこで今回はNBA選手のインタビュー記事から選手の生の声も紹介しつつ、NBAプレイヤーたちの体がどれだけタフで、どれだけ過酷な環境な中であれほどのパフォーマンスを出しているのかを考えたいと思います。
4つのタイムゾーン
まず、アメリカの本土(ハワイ、アラスカなどを除く)には、4つのタイムゾーンがあります。下記の画像のような感じですね。
(OpenClipart-VectorsによるPixabayからの画像)
マップの左から、アメリカ本土のピンク色で塗られているところが、パシフィックスタンダードと呼ばれる地域。有名なカリフォルニア州があるところで、ロサンゼルス・レイカーズやゴールデンステート・ウォリアーズがこのエリアです。
紫がマウンテンスタンダード、ロッキー山脈があったり、山が連なっている地域でデンバー・ナゲッツやユタ・ジャズなどが、ここに属しています。
次に黄土色、セントラルスタンダード。オクラホマシティ・サンダーやミネソタ・ティンバーウルブズなどが、この地域です。
最後に緑がイースタンスタンダード。ニューヨークの2チーム(ニックスとブルックリン・ネッツ)や2022年NBAファイナル進出のボストン・セルティックスなどがここのタイムゾーンです。
このように、本土だけで4つのタイムゾーンに分かれます。
そのため、ニューヨーク・ニックスや八村塁選手が所属するワシントン・ウィザーズなどの東海岸での試合と、ロサンゼルス・レイカーズやゴールデンステイト・ウォリアーズなどの西海岸は時差が3時間違います。
2022年のNBAファイナルの対戦チーム、ウォリアーズ(西海岸)と、セルティックス(東海岸)のシリーズも時差が3時間あります。
考えてみるその過酷さ、、、
そんな時差ボケにもなる中、連続の試合も含める82試合のレギュラーシーズン。
5日の夜を過ごすうちに4試合を消化する、シーズン中の選手たちは、毎日のようにフライトとバスでの移動。夜中にホテルに到着し、次の日の試合に備える事が当たり前の世界です。
そして、このような環境によって成績が低下した際には、「そんなの言い訳に過ぎない」と、ファンからはブーイング。最悪の場合、チームからのリリースもあるという、、、
ビッグマネーを稼いでいるとは言え、普通に考えて日本のサラリーマンよりも身体的、そして精神的にもきついんじゃないかと思えるくらいです。
現代の最先端科学からもも、1日睡眠不足の日を経るだけで、数杯のアルコールを飲んだ時と変わらないほどの認知的、そして身体的なパフォーマンスの低下が見られることを示唆されています。
実際に睡眠やリカバリー不足によって反応が遅れたり、身体能力の低下によって怪我をする選手が多く存在するのも事実でしょう。
そのため過去の記事でも紹介しましたが、今からおよそ15年前の2007年からウォリアーズは、睡眠トラッキングシステムなどを利用して、組織的に睡眠管理を行っていました。
*この記事は下にURLがありますので、現在の記事を読み終えた後に併せてチェックしてみてください。
意外にもウォリアーズのような組織的な睡眠・休息管理は、球団マネジメントの助けになっているという実際のデータが出ているようです。
NBAきってのスタープレイヤーである、ステフィン・カリーやレブロン・ジェームスなどが怪我をした場合、失われたチケット収入と商品販売を考慮に入れると、球団としての損失額は1億ドル(110億円)にも及ぶと、NBAでチームパフォーマンスのコンサルタントを行う専門家は言っております。
チームとしてもリカバリー不足は、かなり大きな負担と言えそうです。
選手の生の声
ここで、過去に睡眠に関するインタビューを受けたレブロンとポール・ジョージのコメントを見てみましょう
ロサンゼルス・レイカーズに所属するキング、レブロン・ジェームスは、2011年のマイアミ・ヒートに所属時、インタビューにこのように答えています。
昔の俺にとって睡眠は重要じゃないと思っていた、早くゲームに戻って勝つことが1番大事なことだと思っていた。
まだ気持ちが戦ってる感じで、寝るのが非常に大変。
気持ちの切り替えが難しいんだ。
でもリカバリーに関しては睡眠が1番重要だ。
寝るのも難しいし朝も早く起きないてはならない、スケジュールを考えるとリカバリー時間を取るのが非常に難しい。
先述のような過酷な環境に加えて、アドレナリンが出まくってて眠れないという問題もあると語っているレブロン。
たしかに絶対に勝たなきゃならないゲーム後はアドレナリンも出まくりで寝れないですよね。。。
現ロサンゼルス・クリッパーズのポール・ジョージもCBSスポーツのインタビューにこのように答えています。
(ホテルに到着時に寝れなくなるため)フライトでは絶対に寝ないようにしてるんだ。
CBSスポーツのインタビュー より
選手個人レベルでも、ポール・ジョージのような工夫を行っている人も多いでしょう。
NBAで活躍する選手はタフ
このように考えてみると、NBAで活躍する八村塁選手や渡邊雄太選手は、すごいなと感心するばかりです。
バスケ界のみならず、MLB、野球界でも大谷翔平選手は、このような過密日程でのリカバリー不足と、時差ボケという環境の中で、ホームランを打って、160kmの速球を投げてと二刀流で活躍しているわけです。
やはり異常だなと常々感じます。。。
本日はNBA選手たちの過酷な環境を考えてみましたが、レブロンもインタビューで述べていたように、アドレナリンや時差ボケによって選手たちは、睡眠をとるのも難しい側面があります。
ウォリアーズの一員としてNBAファイナルで戦うアンドレ・イグダーラもその1人だったそうですが、彼は睡眠の改善に努力を重ねたところ、見違えるようにパフォーマンスが上がったそうなんです。
では、睡眠を改善するだけで、データとしてどれくらいパフォーマンスが向上したのか。イグダーラの睡眠改善方法とウォリアーズの組織的な取り組みに関する記事を過去にまとめています。下記のリンクより併せてチェックしてみてください。
ウォリアーズの強さの秘訣は、睡眠管理なのかもしれない。。
スポーツに関する疑問を下記の質問BOXより受け付けております。科学的な観点から見た解決策を後日当ブログにて回答いたしますので、是非匿名で利用してみてください。
Reference; https://www.cbssports.com/nba/news/in-multi-billion-dollar-business-of-nba-sleep-is-the-biggest-debt/