FIFAワールドカップ2026も準決勝がスタート。「準決勝」を英語で言おうとして詰まったこと、ありませんか。
さらに厄介なのが 「ベスト16」。これ、実は英語では通じません。best 16 と言っても外国人はキョトンとします。“ベスト16” は和製英語なのです。
この記事では、トーナメントの各ステージの正しい英語を、欧州サッカー(イギリス英語)を軸に整理します。そのうえで、MLB・NBAといったアメリカのスポーツでは そもそも言い方の発想が違う ことまで解説します。スポーツは、生きた英語を覚える最高の教材です。
| 日本語 | 欧州サッカー(正式英語) | ざっくり言うと |
|---|---|---|
| 決勝 | final | 最後の1試合 |
| 準決勝 | semi-final(s) | 決勝の1つ前 |
| 準々決勝 | quarter-final(s) | 準決勝の1つ前 |
| ベスト16 | round of 16 / the last 16 | ❌ best 16 は通じない |
| ベスト8 | the last 8(= quarter-finals) | 残り8チーム |
1. 基本は欧州サッカー(イギリス英語)で覚える
「準決勝」「準々決勝」「決勝」という日本語の発想は、勝ち抜き戦(knockout tournament) のあるサッカーにそのまま対応します。まずはここを土台にしましょう。
決勝 = final
- They reached the final. (彼らは決勝に進出した)
- the Champions League final (チャンピオンズリーグ決勝)
準決勝 = semi-final(s)
semi- は「半分・準〜」を表す接頭辞。決勝の一歩手前です。
- They lost in the semi-finals. (彼らは準決勝で敗れた)
- a semi-final match (準決勝の試合)
⚠️ 発音の注意:「セミ」と「セマイ」の2通りがある
semi-の読み方は1つではありません。「セミ」/ˈsemi/ と読む人もいれば、「セマイ」/ˈsemaɪ/ と読む人もいます。ざっくりした傾向として——
- イギリス英語 … 「セミ」(semi-final =「セミファイナル」)が多い
- アメリカ英語 … 「セマイ」(semi-final =「セマイファイナル」)もよく聞く
どちらも正しく、話し手やその単語によっても揺れます。相手が「セマイ」と言っても聞き取れるように、両方を耳に入れておきましょう。ちなみにアメリカで大型トレーラーを指す a semi は、ほぼ 「セマイ」 と読まれます。
準々決勝 = quarter-final(s)
quarter は「4分の1」。ベスト8=残り8チームで戦うので “quarter”(4分の1に絞る戦い)です。
- They were knocked out in the quarter-finals. (彼らは準々決勝で敗退した)
ベスト16 = round of 16 / the last 16
ここが日本人がいちばん間違えるポイント。“best 16” は英語ではありません。
正しくは以下のどちらか。
- round of 16(アメリカ英語で特によく使う)
- the last 16(イギリス英語でよく使う)
They advanced to the round of 16. (彼らはベスト16に進出した)
Only the last 16 teams remain. (残っているのは16チームだけだ)
同じ発想で、ベスト8は the last 8(= quarter-finals)、ベスト4は the last 4(= semi-finals)とも言えます。
イギリス英語 vs アメリカ英語 スペルの違い
イギリス英語では semi-final / quarter-final(ハイフンあり)が標準。アメリカ英語では semifinal / quarterfinal(ハイフンなし・1語)で書かれることが多いです。意味は同じなので、読めれば問題ありません。
2. MLB(野球)は “semifinal” と言わない
アメリカのスポーツでは、準決勝・準々決勝という言葉をほぼ使いません。
なぜか。MLBやNBAの上位争いは、1試合の勝ち抜きではなく 「シリーズ(series)」=複数試合の勝ち越し勝負 だからです。だから “final” ではなく “series” という単語が主役になります。
MLBのプレーオフは、勝ち上がりの各段階に固有の名前がついています。
| 段階 | 正式名称 | サッカーで言うと… |
|---|---|---|
| 決勝 | World Series | final |
| 準決勝相当 | League Championship Series(ALCS / NLCS) | semi-finals |
| 準々決勝相当 | Division Series(ALDS / NLDS) | quarter-finals |
| その前 | Wild Card round | round of 16 的な入口 |
覚えるべき基本フレーズ
- The Dodgers won the World Series. (ドジャースがワールドシリーズを制した)
- They advanced to the ALCS. (彼らはリーグ優勝決定シリーズに進んだ)
- a best-of-seven series (7戦4勝制のシリーズ)
ポイント:best-of-seven という言い回し
「◯戦◯勝制」は best-of-(試合数) で表します。
- best-of-seven = 7戦制(先に4勝)
- best-of-five = 5戦制(先に3勝)
この best-of- は日常でも「〜の中でいちばん良いものを選ぶ」という感覚で応用できます。
3. NBA(バスケ)も “conference” と “series” が主役
NBAも同じくシリーズ制。さらに 東西のカンファレンス(conference) に分かれて戦うため、”Conference Finals” のような独特の呼び方になります。
| 段階 | NBAの正式名称 | サッカーで言うと |
|---|---|---|
| 決勝 | NBA Finals | final |
| 準決勝相当 | Conference Finals | semi-finals |
| 準々決勝相当 | Conference Semifinals | quarter-finals |
| その前 | First Round | round of 16 的 |
覚えるべき基本フレーズ
- They made the NBA Finals. (彼らはNBAファイナルに進出した)
- They were eliminated in the first round. (彼らは1回戦で敗退した)
- the Eastern Conference Finals (東カンファレンス決勝)
2023-24シーズンからはNBAカップというトーナメント方式の大会がシーズン中にスタートしました。こちらでは基本的にシリーズではなく、サッカーと同様、semifinal, finalなどが使用されています。
advance と eliminate は必修動詞
- advance to ~ = 〜に進出する
- be eliminated = 敗退する(=勝ち残りから消される)
この2語はサッカーでもバスケでも野球でも共通で使えます。
4. 日常で使い回せる! トーナメント英単語
スポーツで覚えた単語は、そのままビジネスや日常で武器になります。ここが「スポーツで英語を学ぶ」いちばん重要なポイントです。
final → 「最終の」「決定的な」
Let’s finalize the plan by Friday. (金曜までに計画を最終決定しよう)
Is that your final answer? (それが最終的な答えですか?)
※学生の「期末試験」も finals と言います。 I have finals next week.
semi- → 「半分・準」を表す万能接頭辞
semifinal で覚えたこの接頭辞は、日常語に無数に潜んでいます。
- semicircle(半円)
- semi-annual(半年ごとの)
- semi-detached house(イギリスの二軒続き住宅)
- semi-retired(半分引退した状態)
quarter → 「4分の1」「四半期」
quarter-final の quarter は、ビジネスで超頻出。
Our sales grew in the third quarter (Q3). (第3四半期に売上が伸びた)
We hold quarterly meetings. (四半期ごとに会議を開いている)
※時刻の a quarter past three(3時15分)、25セント硬貨の quarter も同じ語源。
round → 「回・巡」
round of 16 の round は、面接や交渉の「ラウンド」に直結します。
I passed the first round of interviews. (一次面接を通過した)
Let’s schedule another round of talks. (もう一度、話し合いの場を設けよう)
※飲み会の It’s my round.(次は俺のおごりね)も同じ round です。
seed → 「シード」
トーナメントの「シード(第◯シード)」は英語でもそのまま seed。
They’re the top seed in the tournament. (彼らは大会の第1シードだ)
※日常では seed money(起業の元手・種銭)としても使います。
knockout → 「勝ち抜き」…そして「超魅力的」
勝ち抜き戦は knockout tournament。この knockout、スラングでは 「めちゃくちゃ魅力的な人・もの」 の意味に化けます。
That dress is a knockout. (そのドレス、最高にイケてる)
5. まとめ:3秒で復習
| 言いたいこと | 正しい英語 |
|---|---|
| サッカーの決勝に進んだ | They reached the final. |
| サッカーの準決勝で負けた | They lost in the semi-finals. |
| サッカーの準々決勝で敗退した | Knocked out in the quarter-finals. |
| ベスト16に進出した | Advanced to the round of 16. |
| 野球の”決勝” | the World Series |
| バスケの”決勝” | the NBA Finals |
| 一次面接を通過した | Passed the first round. |
| 第3四半期 | the third quarter |
この記事のいちばん大事な結論
- サッカー(欧州) …
final / semi-final / quarter-final / round of 16で覚える。これが基本形。 - 野球・バスケ(米国) … 準決勝という単語は使わず、series / conference / round という独自の言葉で表す。
- 「ベスト16」は和製英語。英語では round of 16 / the last 16。
「準決勝」という一語を掘るだけで、四半期・面接・最終決定と、日常語彙がぐんと広がりました。次に試合を観るときは、実況が “semi-final” と言うか “Conference Finals” と言うか、耳をすませてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 「準決勝」は英語で? A. semi-final(イギリス英語)/semifinal(アメリカ英語)です。ただしMLB・NBAではこの語は使わず、League Championship Series・Conference Finals のように独自の呼び方をします。
Q. 「準々決勝」は英語で? A. quarter-final(s) です。the last 8 とも言えます。
Q. 「決勝」は英語で? A. final です。野球は World Series、バスケは NBA Finals と固有名で呼びます。
Q. 「ベスト16」は英語で通じる? A. best 16 は和製英語で通じません。正しくは round of 16 または the last 16 です。
Q. semifinal と semi-final、どっちが正しい? A. どちらも正解です。アメリカ英語はハイフンなしの1語、イギリス英語はハイフンありが一般的というスペルの違いだけで、意味は同じです。
Q. semifinal の発音は「セミ」?「セマイ」? A. 両方あります。semi- は「セミ」/ˈsemi/ とも「セマイ」/ˈsemaɪ/ とも読まれ、イギリス英語では「セミ」、アメリカ英語では「セマイ」が比較的多い傾向です。どちらも間違いではありません。

